ここ数年、老若男女、男女問わずにアウトドアブームが来ています。キャンプや登山などは特に人気が高くなり、女性キャンパーや山ガールなどもよく見かけるようになりました。
また、BBQなどは手軽に楽しめる点から多くの人が行っています。自然の中で体を動かしたり、のんびりしたり、料理をしたりするのって楽しいですよね。しかし忘れないで欲しいのが自然は時に牙をむくということです。特に野生動物や昆虫などは危険なものが多いです。
そこで今回はBBQを満喫中に野生動物や虫などに遭遇した際の対処法や遭遇しない対策を紹介したいと思います。
1.クマ
日本国内で危険な野生動物といえばクマを連想される方も多いと思います。実際に毎年どこかしらでクマの被害情報が報告されていますよね。
登山やキャンプをされる方は特に注意が必要になります。山の中でBBQをする際もゴミ処分をしっかりおこなってください。
対策①:最大限遭遇しないための対策をする
クマと遭遇しないためにはまず”遭遇しないための対策”が重要になってきます。
一般的によく知られている、鈴やラジオで音を出しておくことでクマが寄ってこないというのが手軽にできる対策になります。
しかし、近年では熊鈴を持っているハイカーが狙われた例もあるので、遭遇しないための対策だけでは足りなくなってきています。
対策②:大声を出さずにゆっくり距離をとる
万が一、①の対策をおこなっていても遭遇してしまったときは”大声を出さない” ようにしましょう。どれだけ近くても我慢しましょう。大声を出せばクマも驚いて襲ってきます。
距離が遠ければその場からゆっくり後ずさりしながら逃げましょう。よく、目を逸らしてはいけないと言いますが逆に見すぎるとクマにストレスを与えてしまうので注意が必要です。
距離が10メートルないしは数メートルの場合は、その場で立ち止まり、普通の音量で話しかけましょう。徐々に声を大きくしていき、クマが離れるのを待ち、自分もゆっくり離れ距離をあけていきましょう。
対策③:クマ撃退スプレーを使う
①、②だけでは心配な方はクマ撃退スプレーを購入しておきましょう。値段は1万円と高めですが接近された際などは有効です。また、スプレーの噴射音に驚いて逃げていくこともあるそうなので、数メートルの距離まで近づかれた際は効果的です。
注意していただきたいのは、せっかく購入して持って行ったのに、ザックの中に入れていて取り出せないという状況です。なるべくすぐに取り出せるように、ホルダーなどに入れておきましょう。
対策④ヘビのおもちゃを持っていく
科学的には実証されていませんが、どうやらクマはヘビが苦手なようです。ヘビのおもちゃですら嫌がり、逃げていきます。そこでよくいたずらグッズとして売っているおもちゃのヘビを持っていくのもいいかもしれません。
NG行為
昔は死んだふりが有効といわれていましたが、実は間違いです。クマは好奇心旺盛でエサだと思って近づいてきます。
また、前述した通り、急に大声を出すのもやめましょう。また、背中を向けて逃げるのもやめましょう。クマは追いかける習性を持っています。
もちろんですが、闘おうなんて思うのもやめて下さい。闘うのは何をしても戦闘を避けられず、本当に最後の手段として生き残るのに必要な時だけにしてください。
2.サル
サルも最近は住宅街などに出没するようになりましたよね。基本的に人里に降りてきて行動するサルは単独か少数での行動になりますが、山の中で出会うサルは集団で行動していると思って下さい。
一匹に遭遇したら他にも近くに数匹以上はいます。サルは凶暴な性格をしていることもあり、目を合わせることは避けて下さい。攻撃される可能性が高くなります。
また、食べ物を持っている場合はリュックやポケットなどにしましましょう。サルが奪いにくることもあり、その際に噛まれたり引っ掻かれたりします。サルに噛まれた場合は感染症にかかる可能性があるためすぐに病院に行きましょう。
対策①:大きな音をたてる
サルに遭遇してしまったら大きな音をたてたりして追い払いましょう。できるだけ近づかずに音をたてましょう。
また、長い棒や石などを使うのも有効です。とにかく追い払うことに専念してください。キャンプや登山でテントをたてている場合は逃げてしまうとサルにとって安全な場所だと思われてしまいます。
対策②;体を大きく見せる
両手を広げるなどして体を大きく見せることで恐怖心を与えます。しかし、①の方が効果的なので併用をおススメします。
NG行為
サルと目を合わせる、必要以上に接近することは避けて下さい。あくまでも距離を保ちながら追い払ってください。また、中には人を全く恐れずに襲ってくるサルもいますので、危険を感じたなら速やかに立ち去り、自治体や警察などに通報しましょう。
3.シカ
道路の「動物飛び出し注意」の看板などで使われるシカです。基本的は臆病な性格で人間との生活圏はかぶりませんのでシカに遭遇することは結構まれです。
シカは聴覚・嗅覚ともに鋭いため、離れた距離からでも人間の接近に気づき逃げていきます。そのため、基本的には襲われることはありません。しかし、繁殖期のオスと出産期で子育て中のメスは注意が必要です。
シカの繁殖期は9月~11月といわれており、この時期のオスは非常に凶暴になっていることもありますので、遭遇したら速やかに離れて下さい。
メスの子育ては5月~7月です。基本的に大人しいメスのシカも母性本能で襲ってきます。子鹿がかわいくても絶対に近寄らないでください。
また、中には突然現れた人に驚いて動けずにいるシカもいます。好奇心旺盛なシカは近寄ってくることもありますができるだけ速やかにその場から離れるようにしましょう。
対策:音を出して関わらない
クマ同様に鈴などで音を出して、なるべくかかわらないように速やかにその場から離れるようにしてください。かわいいからといって近づいたりしないでください。
また、餌付けなどもしないでください。地域によってはシカの被害に困っているところもあります。むやみに餌付けすることで地域に被害が及ぶ可能性があります。
4.イノシシ
イノシシ被害も問題になっていますよね。基本的には農家の野菜を食い散らかす被害が多いですが、他の動物同様に人間を襲うこともあるので、遭遇してしまった際は注意が必要です。
対策①:音をだして存在をアピールする
基本的にはクマやシカ同様に鈴などを付けて音を出すことが一番効果的です。こちらが近づいていることをアピールすることで遭遇することを防げます。しかし、ねぐらや子育て中のイノシシ、発情期のオスには注意が必要です。遭遇した際は速やかに逃げましょう。
対策②:後ずさりしながら離れる
イノシシに遭遇してしまった場合は、ゆっくりと後ずさりしながらその場を離れましょう。また、食べ物を持っているときは捨てて逃げて下さい。
対策③:逃げるときはジグザグに
イノシシはまっすぐしか進めないといわれてますが、当たり前ですがカーブやUターンもできます。しかし、突進時は左右どちらかによけたり、ジグザグに逃げるのは非常に有効です。一番いいのは木に登ってやり過ごすことです。
NG行為
大声を出したり、石を投げるなどの威嚇は避けて下さい。イノシシから離れることを優先し、道をあけるように行動してください。
5.ヘビ
ヘビは全国各地にいますし、地域固有種もいます。また、毒を持っているのか持っていないのかで危険度も変わってきますので遭遇し噛まれてしまった際は冷静な判断が必要になってきます。
対策:物音を出しながら移動する
ヘビは振動を感知することができます。加えて性格は臆病なので、草むらなどを歩くときはがさがさと音をたてて歩くといいでしょう。また、棒を使って前の道をかき分けながら歩くのも効果的です。
・噛まれたら
どれだけ気を付けていても噛まれてしまうことはあります。ヘビは木の上を好むので、いきなり上から降ってきたりもします。まずはヘビから離れ毒蛇なのかどうかを判断します。
無毒ヘビであれば消毒だけで大丈夫です。問題は毒蛇です。よく毒が回らないように縛るといいと思われている方がいますが、実はいまでは縛らない方がいいと言われています。
また、冷やすのも逆に毒が回ってしまうのでNGです。慌てずに病院へ行きましょう。
・簡単な毒蛇の見分け方
あくまでその場で判断する材料の一つになりますが、赤・オレンジ・黄色などの色、まだら模様、頭が三角、などは毒を持っていることが多いと言われています。
日本に生息していて被害出ているヘビは限られていますが、ペットが逃げ出した、飼えなくなり逃がしたなどで生態系に変化が起こる可能性もありますので不安であれば必ず病院で診察を受けて下さい。
6.ヤマビル
ヤマビルは気づいたら噛まれていることもあります。そのときにばたっぷり血を吸われていたなんてこともありますので注意が必要です。
ヤマビルの体は茶色で縦に3本の黒船が入っているのが特徴です。見たことがない方は茶色で大きいナメクジを想像してもらえれば分かりやすいかもしれません。
対策①:湿った場所を歩かない
ヤマビルは湿気を好みます。雨の日や雨上がりの湿度が上がった環境を好みます。また、落ち葉や、獣道などもなるべく避けた方がいいでしょう。ヤマビルは太陽が苦手なので、朝方や夜に行動することが多いので、できるだけ太陽が出ている時間に行動しましょう。
対策②:虫よけスプレーを使う
虫よけスプレーは市販のものでも大丈夫です。しかし、効果は短いのでこまめにかけなおしてください。逆にヤマビル用のスプレーは肌に直接つけることは出来ないので靴などにつけます。
・噛まれたら
噛まれたことに気づいたときはまずは落ち着いてください。パニックにならずに無理やり引きはがそうとはしないでください。ヒルを無理やり引きはがしてしますと噛まれた箇所に牙が残ってしまうこともあります。
ナメクジ同様に塩をかけることが効果的です。ヤマビルも塩をかけると脱水症状になります。塩をかけた後は傷口をつねって毒を出しましょう。
ヒルは血液が固まりにくくなる成分ヒルジンを吸血中に注入してきます。血が止まらなくなることもあります。その後は消毒をしっかりおこないましょう。
7.スズメバチ
スズメバチは7月~9月の間に活発に活動すると言われています。そのためアウトドアとシーズンがかぶります。特に攻撃性が強く、アナフィラキシーショックで死にいたることもあるので注意が必要です。
対策①:服装の色を選ぶ
有名ですがスズメバチは黒の服だったり、黒髪の人を襲います。逆に一番攻撃されにくい色は白です。白の服や、白のタオルを持っていき、スズメバチと遭遇した際は頭に巻くなどして守りましょう。
対策②:香水をつけない
香水はスズメバチの警報フェロモンを刺激することが分かっています。そのため、つけていくと攻撃対象にされるリスクが上がってしまいます。
対策③:逃げる際はゆっくり距離をとってから
スズメバチが近くにいるときに走って逃げたりすると攻撃対象にされる可能性が高まってしまいます。ですので、まずはゆっくりとスズメバチから離れて、距離があいてから走って逃げましょう。巣がちかくにあったなどの場合は特に効果的です。
・刺されてしまったら
まずは刺された箇所を水で洗い流しましょう。次に患部をつまんで毒を押し出します。ポイズンリムーバーなどがあれば一番いいですがなければつねって毒を出します。
やってはいけないのが口で吸いだすことです。毒が体内に入ってしまいますので絶対にやってはいけません。その後病院で診察を受けましょう。もしアレルギー反応が出た場合は救急車を呼んでください。最悪死に至ることもありえます。
8.その他の虫 アブ・ブヨ・マダニ
スズメバチ以外にも気をつけなければならない昆虫は多くいます。その中でもよく被害にあうのが、アブ・ブヨ・マダニです。最近ではマダニに噛まれて死亡したケースなどもありますので注意が必要です。
・アブ
見た目がハチに似ていますが、アブは刺すというよりも噛みます。その為、噛まれた際は強い痛みが走ります。長袖などを着ていても関係なしに噛んできますので少し厚手の長袖を着ることをオススメします。
また、虫よけスプレーやハッカ油などを薄めたものをスプレーに入れて体にかけておくとアブが近寄ってこなくなりやすいです。もし噛まれてしまったときは患部を洗った後に抗ヒスタミン軟膏を塗りましょう。
・ブヨ
見た目はハエに似ています。ブヨに刺されてしまうと半日ほどで患部がはれ上がったりします。また、非常に痒くなるので注意が必要です。
刺されたときはアブと同じく洗ったあとに抗ヒスタミン軟膏を塗りましょう。対策もアブと同じく長袖を着ること、虫よけスプレーかハッカ油のスプレーを使うと効果的です。
・マダニ
マダニは刺されると最悪感染症にかかり死に至ることもあります。非常に注意が必要ですが、マダニは全国各地の草が茂っているところに生息しています。
マダニは普通のダニとは違い肉眼で確認はできますが、草むらの中にいると気づかないうちに噛まれています。アブ・ブヨ同様に長袖長ズボンを着用し、虫よけスプレーやハッカ油、ダニ用の虫よけスプレーで対策してください。帰宅後は直ぐに着替えるのも重要です。
また、なるべく草むらには入らないようにすることも有効な対策だと言えます。
マダニに刺された場合は無理に取ろうとしてはいけません。マダニは吸血時に頭を皮膚に突っ込むので頭が刺さったままで感染症にかかるという事も考えられます。
酢やハッカ油をかけると有効なので、様々な用途で使えるハッカ油をもっていくことをオススメします。ハッカ油をかけた後はピンセットで頭が残らないように慎重に抜きましょう。もし失敗して吐き気や発熱などが出た場合はすぐに病院で診察を受けて下さい。
まとめ
いかがでしたか。BBQをはじめとするアウトドアは自然のなかで行うものです。他の生物との共存が必要になってきます。とはいうもののやはり、人間に害のある生物って怖いですよね。
対策と対処法を知っているのと、全く知らないにでは命にかかわることもあります。今後もこういった情報を発信していきますので皆様のアウトドアライフの役に立てて頂ければ幸いです。